あいちの伝統野菜「大高菜」

江戸時代から続く伝統野菜
伝承を役目として栽培続ける農家


「あいちの伝統野菜」に認定されている大高菜は、冬が旬となるアブラナ科の葉物野菜です。大きなものは約1メートルほどに育ち、茎まで柔らかく食べられるのが特徴です。大高菜の歴史は古く江戸時代から栽培されており、名前の由来は、大高地区で栽培されることが多かったから、また大ぶりな高菜であることからとも伝えられています。癖の無い味で料理の幅も広い大高菜ですが、収穫後、すぐにへたってしまうため、出荷先が限られ生産者も少ないことから存続が危惧されています。

「あいちの伝統野菜」に認定されている大高菜

そんな中、十数年前から大高菜を育て続けている山口義博さん・幸江さん夫妻。今回の取材では主に幸江さんにお話を聞くことができました。「大高菜を育てることは難しくないんですよ。ただ、他のアブラナ科の野菜と種が混ざりやすいので、原種に近い状態で種を保存できるように気を付けています」と話す幸江さん。

育てた大高菜を抱える幸江さん

漬け物やおひたしとして冬の食卓に並ぶことの多い大高菜ですが、幸江さんは「お雑煮やからし和えなど、火を通して食べるのがおすすめですね。癖の少ない味わいでシャキシャキの食感も楽しめますよ」と教えてくれました。そして、「伝統野菜である大高菜を絶やさないよう、種の保存と伝承が私の役目だと思っています。細々とでもいいので、どこかで誰かが栽培してくれたら」と願いを込めて話していました。

大高菜を前に笑顔の幸江さん

JAなごや大高支店の加藤才雄支店長は「大高菜は貴重な伝統野菜です。これからも栽培を続けていただき、広く多くの方に知ってもらい長く残ってほしいです」と語っていました。

なお、大高菜の種は、一般には販売されていませんが、JAや区役所で配られるということです。栽培に興味のある人は問い合わせてみてはいかがでしょう。

◆JAなごや大高支店

〒459-8001
愛知県名古屋市緑区大高町字鶴田193
☎︎ 052-621-1205

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