有松鳴海絞りを世界に 株式会社スズサン

東海の伝統工芸を代表する有松鳴海絞り
海外からも熱視線「スズサン」の手仕事

江戸時代の面影が残る有松の町並みに会社と工房、直営店を構える「株式会社スズサン」。
明治中期から100年以上にわたり有松鳴海絞りの生産を行っています。

図案・型彫りから絵刷り、糸入れ・縫い、くくり、染色、糸抜きといくつかの工程を経て分業制で生産される有松鳴海絞り。その伝統の技法から生まれる独特の模様は、世界で活躍するアーティストたちからも注目されています。

分業で行われる有松絞りの工程

スズサンの創業は明治中期。初代・鈴木定七が有松鳴海絞りの図案、型彫、絵刷り職を創業。その後、2代目となる鈴木三郎が「鈴三商店」を開業しました。1996年に4代目の現村瀬裕会長が屋号を「スズサン」に改称。2008年には5代目村瀬弘行さんがドイツで「Suzusan e.K」を設立し、衣服・照明・ホームコレクションの展開をグローバルに発信しています。

現在でも有松鳴海絞りの生産を分業で行う工房や会社がほとんどという中、同社は自社生産を一貫して行っています。困難と言われるカシミアの素材に有松絞りを施すなど、技術があるからこそ応えられる作品を次々と送り出しています。

その高い技術が評価され、デザイナーや商業施設など世界中から問い合わせが後を絶ちません。

その中の一つ、中日ビルの再開発で今年2月にオープンした「ザロイヤルパークホテルアイコニック名古屋」でも、ロビーのクッションや荷物置き台、スイートルームの天井や柱などにスズサン製の有松絞りが起用されています。
同社では、依頼に合わせながら絞りでどのような表現ができるかを提案し、クライアントとすり合わせを重ね、商品・作品として完成させていくのだとか。「絞りは同じように作っても全く同じものは出来ないところが大変でもあり、手仕事の魅力の一つです」と担当者は語ります。

有松絞りのクッションが置かれた「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック名古屋」のスイートルーム 写真提供/ザ ロイヤルパークホテル アイコニック名古屋

また同社では教室も開催。有松で唯一の下絵師でもある村瀬裕会長から直々に教われるとあって、初心者から10年以上通う人まで多くの人たちが有松鳴海絞りを楽しんでいます。 他にも地域の子どもたちとの体験会や国内外からのインターンシップを受け入れるなど、有松鳴海絞りの魅力を伝える活動を幅広く行っています。

教室で有松絞りを伝える村瀬裕会長
海外から訪れる人たちにも有松絞りの体験は人気

「suzusan」の商品は通常は絞りに使われることのないカシミアやアルパカなど世界の産地から厳選した素材を使用し、現在では国内のみにとどまらず世界23カ国以上で販売されており、特に寒い季節が長いヨーロッパなどでは愛用者も多くいるそうです。

日本では直営店「suzusan」またはオンラインショップ( https://www.suzusan-onlinestore.com )で購入できます。

◉株式会社スズサン
HP https://suzusan-shibori.com

◉直営店「suzusan」
住所 緑区有松1905
電話 052-825-5636
平日  11:00~18:00
土日祝 10:00~17:00
定休日 水曜日

◉スーベニアショップ「tetof1608」
住所 緑区有松3016
電話 052-825-5641
平日  11:00~17:00
土日祝 10:00~17:00
定休日 火曜日
HP https://www.tetof1608.com

◉体験施設「Studio Suzusan」
住所 緑区有松3305
電話 052-825-5386
HP https://www.studio-suzusan.com

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